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『と学会レポート 原田実の日本霊能史講座』
講師:原田実 聞き手:杉並春男 
刊行日 2006/10/02
四六判(188o×130o)ソフトカバー。528ページ。本文1色刷。
ISBN4-903063-05-4 C0095
ISBN978-4-903063-05-8 C0095
定価(本体2200円+税)

 

概要
霊能者を縦糸に、日本史を読み解く。卑弥呼、空海、安部晴明、出口王仁三郎、宜保愛子……日本史に残る霊能者30人の生涯をふりかえりつつ、また日本人の霊魂観の変遷を確認しながら、古代から現代までの日本の歴史を読み直す。歴史通・原田実による、面白くてためになる日本宗教史・入門読本。

著者略歴
原田実(はらだ・みのる)
1961年生まれ。歴史研究家。龍谷大学卒業後、1984年から3年半、八幡書店(出版社)に勤務。古史古伝・霊学書籍の広告を担当。その後、広島大学研究生、昭和薬科大学文化史・心理学研究室助手(1990〜93年)を経て、歴史研究・執筆活動に入る。またそのかたわらで「市民の古代研究会」代表を務める(2001年〜02年)。古代史・偽史・サブカルチャー関係の論考多数。
著書に、『日本化け物史講座』『トンデモ偽史の世界』(楽工社)など。

 

目次
まえがき――「しょせん人間が作ったもの」を理解しよう 3

■■古代 19

日本史に関する基本的なこと 20
霊に関する基本的なこと 24
霊能者三〇人の選定基準 26

●霊能者その一 卑弥呼 29
呪術的なものを強く禁じてこなかった日本の政治文化 34
印鑑と旗の政治的意味 36
古代人の霊(魂)観を示す『記・紀』と葬送法 37
荒魂と和魂 42
神功皇后と審神者システムの確立 43
『記・紀』の作者は卑弥呼=神功皇后としたかった 46

●霊能者その二 聖徳太子 53
聖徳太子は実在しなかった!? 56
聖徳太子――伝説化の道筋 56
太子による予言書!?――『未来記』 57
太子による予言書!?――『先代旧事本紀大成経』 59
仏教推進者としての聖徳太子 61
日本宗教史の中の聖徳太子 64
仏教伝来のインパクト 67
仏教伝来による霊(魂)観の変化 68
仏教伝来による妖怪・幽霊観の変化 70
仏教伝来による「日本人の生死観」の変化 72
官制仏教から民衆仏教へ 74
七〜八世紀に起きた「神々の争い」 76
七世紀後半〜八世紀初頭の変化――貨幣の鋳造と火葬の開始 79
七世紀後半〜八世紀初頭の変化――東アジア情勢の変化の中で 82

●霊能者その三 役小角 85
修験道とは? 87
民間宗教のヒーロー、役小角 90
道鏡と皇位継承に関する騒動 93

●霊能者その四 空海 99
人間空海――入唐まで 103
人間空海――密教 106
人間空海――最澄との関係 107
人間空海――実用技術者として 109
空海伝説――「弘法ともうせば人は納得し」 110
空海伝説――仏法→神という序列を示すものとしての 112
空海――補足とまとめ 114

菅原道真 117
天慶年間の政情不安 120

●霊能者その五 多治比奇子 123
奇子自身はどんな人だった? 127
多治比奇子――まとめ 129
社会の民主化に伴う霊の民主化 130

●霊能者その六 安倍晴明 133
晴明――霊的技術のマニュアル化と体制化の推進者 135
晴明――両義的でドラマ化・伝説化されやすい存在 138
晴明――伝説の広まり方 141

一〇〜一一世紀の注目事項――貨幣経済の発達 141
一〇〜一一世紀の注目事項――源信『往生要集』 141

■■中世 147

鎌倉新仏教の展開 149

●霊能者その七 日蓮 157
日蓮――法華経主義に至るまで 160
日蓮思想の五つの特徴 160
一、法華経主義 161
二、排他的傾向 166
三、国家主義的傾向 166
四、黙示主義的・予言者的傾向 168
五、行動主義的傾向 171
日蓮――まとめ 172

聖徳太子の『未来記』 174
北畠親房『神皇正統記』 174
一休 176
世阿弥 177
蓮如 177
加賀一向一揆 178
吉田兼倶『唯一神道名法要集』 180
神道のおさらい 181
戦乱の時代は即物的価値が重用視される 187
戦乱の時代はオカルト不作の時代? 188

■■近世 191

●霊能者その八 天草四郎 192
天草四郎――時代背景 192
天草四郎――キリシタンではなかった!? 202
天草四郎――妖術師イメージの形成 204
天草四郎――悪漢ヒーローの原型に 208

出版統制令 210

●霊能者その九 祐天 217
累の霊を鎮める 217
怪談・累が淵 212
祐天――補足とまとめ 222
元禄年間前後の時代状況 224
馬のもの言う事件 225
霊的な力を買われた祐天と潮音 227
陰陽道無実化の後の呪術空間の空白 231
呪術空間再構築の仕掛け人、桂昌院 234

江戸前期の注目事項――紙幣の登場 235
江戸前期の注目事項――出版の発展とそれに伴う化け物のキャラクター化 238
幽霊のキャラクター化 239
黄表紙本は「歩くツタヤ」が貸し出す娯楽本 244
胎児(霊)の人格化――水子供養 245
胎児(霊)の人格化――ウブメ、飴買い幽霊、胎児分離の葬儀 248
『夭怪着到牒』――化け物・幽霊が批評的な視線の対象に 249
批評精神のめばえと展開 252

●霊能者その一〇 仙童寅吉 253
篤胤『勝五郎再生記聞』と丹波哲郎『大霊会』 258

『稲生物怪録』と魔王・山ン本五郎左右衛門 259
一九世紀半ばからの幕藩体制のゆらぎ 261

●霊能者その一一 中山みき 265
「貧」と「病」の解決――新興宗教の原点 268
国家との対立と妥協 270
●霊能者その一二 赤沢文治 272
祟り神だった金神を、世界の総氏神に転換 276
●霊能者その一三 本田親徳 281
本田流鎮魂帰心法 281

明治天皇、崇徳上皇の霊に勅使を送る 284

■■近代 287

「心霊写真」の登場 288
写真の流布が「霊」概念に変化をもたらす 289
新しい「霊」概念が新しい「霊能者」概念を生み出す 295
井上円了の妖怪学研究 296
こっくりさん、大本教開教、明治天皇『妖怪学講義録』を欲す 289
X線の登場 300

●霊能者その一四 浜口熊岳 303
●霊能者その一五 長南年恵 308
●霊能者その一六 飯野吉三郎 313

医師法制定、森鴎外と脚気菌 320
不思議研究もさかんに 323

●霊能者その一七 竹内巨麿 325
偽書『竹内文書』 328
『東日流外三郡誌』と『カタカムナ文献』 330
竹内巨麿――まとめ 331
●霊能者その一八 御船千鶴子 333
●霊能者その一九 長尾郁子 339
●霊能者その二〇 出口王仁三郎 347
●霊能者その二一 田中守平 358
●霊能者その二二 友清歓真 365

中村古峡『大本教の解剖』369
第一次大本事件 371
アインシュタイン・ショック 372

●霊能者その二三 浅野和三郎 377
浅野の遺産を活用している江原啓之 382
浅野和三郎――まとめ 386

福来、浅野、C・ドイル、ISF大会に集う 386
山中峯太郎の連載「霊界通信」 388

●霊能者その二四 三田光一 389
●霊能者その二五 小谷喜美 396
●霊能者その二六 岡田茂吉 403
●霊能者その二七 谷口雅春 409
融通無碍な「万教帰一」 412
「物質はない」――「波動」の原点 414
浅野と谷口の共通性と現代性 417

第二次大本事件 419
『神日本』――ルーズベルトとヒトラーの生霊を呼び出せ 420

■■現代 425

神々のラッシュアワー 426
大蔵貢(一九五五年)〜『まぼろしの邪馬台国』(一九六七年) 434
美輪明宏と「あなたの知らない世界」 440

●霊能者その二八 高橋信次 443
高橋信次―平井和正―千乃裕子―大川隆法―江原啓之 446

桐山靖雄と内田秀男 450
三島由紀夫の自決 451
バクスター効果の実験放映、オカルト雑誌の雛形の登場 452
『ノストラダムスの大予言』が提示した「別のもの」 455
中岡俊哉 457
ユリ・ゲラーと超能力ブーム 459
クロワゼット、『犬神家』、引田天巧の催眠術ショー 461
●霊能者その二九 竹内てるよ 465

GLA的世界観と真光的世界観の流布 471
「新・新宗教」「精神世界」「天中殺」 472
『ムー』 474
『機動戦士ガンダム』 475
『守護霊の秘密』と『生命潮流』 476
『トワイライトゾーン』創刊 478
王仁三郎、オーラバトラー、「前世名××です」 479
「オウムの会」、チャネリング、「幸福の科学」 482
『帝都物語』 488
『陰陽師』 489
『大霊界――死んだらどうなる』 490
『学校の怪談』 491

●霊能者その三〇 宜保愛子 492

『それいけ!ココロジー』 498
『美少女戦士セーラームーン』 499
高塚光 501
『アガスティアの葉』他 503
阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件 504
『脳内革命』 506
『神々の指紋』 506
オカルト番組の自粛が解けて、作りが巧妙に 507
ハルマゲドンは来なかった 509
映画『陰陽師』 509
『FBI超能力捜査官』『TVのチカラ』 510
宜保愛子死去、船井オープンワールド 512

■■エピローグ 513

宗教の主要な役割の一つ――生に意味を与えること 516
江原啓之のプラス面と危うい面 517
江原啓之自身も気づいていない心霊主義の問題点 519

参考文献 522


■年表と図
【年表1】…日本史全体の流れ 21
【図1】…霊の三分類 26
【図2】…本書でとりあげる霊能者三〇人 27
【図3】…屈葬(静岡県蜆塚貝塚) 41
【図4】…支石墓(長崎県里田原遺跡) 41
【図5】…荒魂と和魂 43
【図6】…霊能者の三分類(対馬路人説)  45
【年表2】…古代 49
【年表3】…支配的な宗教の流れ 65
【図7】…化け物(妖怪)と幽霊の変遷(江馬務説) 71
【図8】…日本人の生死観・生死過程の儀礼化(坪井洋文説) 73
【年表4】…中世 150
【図9】…神道の流れ 183
【年表5】…近世 194
【図10】…宗教、呪術、妖術等の関係(佐々木宏幹説) 205
【図11】…児雷也(二世歌川豊国画) 207
【年表6】…近代 290
【図12】…心霊主義者の人間観 383
【図13】…三田光一の念写によるとされる空海の写真 395
【図14】…三田光一の念写によるとされる月の裏側の写真 395
【図15】…系統別・新宗教団体 422
【年表7】…現代 428


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