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健康情報・本当の話
著:草野直樹 
刊行日 2008/5/27
四六判(188o×130o)ソフトカバー。332ページ。本文1色刷。
ISBN978-4-903063-21-8 C0036
2000円(税込2200円)

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概要
正体不明の健康食品から癌の代替療法、みのもんたの「おもいッきりテレビ」まで、さまざまなメディアに氾濫するデタラメな健康情報。
こうした情報の真相を、豊富な資料と独自取材を通して明らかにする、ヘルス・リテラシーが身につく一冊。

著者略歴
草野直樹(くさの・なおき)
週刊誌記者等を経て1994年、株式会社市井文化社を設立。書籍・ムックの編集業に携わりながら、個人の活動としてオカルト問題、政治、マスコミ・メディアに関する執筆、寄稿などを行なう。1997年、疑似科学・超自然現象を懐疑的に検証し、その社会的な影響にも言及するメールマガジン「「超自然現象」や疑似科学を調べる」の配信を開始。多くの読者から注目されている。
著書に、『血液型性格判断のウソ・ホント』『暦・占い・おまじない』(かもがわ出版)など。

 

目次
はじめに 3

■第1章 危ない健康食品 13

●八木田旭邦「新免疫療法」 13

進行がんには成果なし 14
手術すれば助かったかもしれないために裁判に 19
独自の判定で居直る現在 26

●師岡孝次監修『末期ガンに一番効くアガリクスは何か』 28

「食品」と「医薬品」の違い 28
ついに逮捕者が出た「がんに効く」書籍 31
担当医の話がない不思議さ 33
使えるネタを無原則に採り入れる論理矛盾 36

●新谷弘実『病気にならない生き方』 40

120万部突破のベストセラーというが…… 40
新造語や独自のPR 42
総花的な「健康」情報と科学的根拠の曖昧さ 46
「抗がん剤」で治療できる患者に対する責任 49
誰でもいえる「正しいこと」が説得力を持たせる? 53
医学的に使ってはならない単語の横行 56

●清水妙正『医者が体験した末期ガンからの生還』 60

「マイタケで生還した」現役医師の体験談 60
医師としては批判せざるを得ないが…… 64

●他の健康食品事件の数々 68

プロポリスの薬事法違反で実刑 68
CPLのバイブル商法 70
イチョウ葉エキスと大豆エキスで催眠療法 72

●バイブル商法に騙されてはならない 76

食品にもいろいろある 76
それ以外の「自称健康食品」 81
バイブル商法がいまだのさばっているのは…… 83
健康「食品」であるかぎり、「抗がん」のEBMはない 85

■第2章 健康観と治療法の疑似科学 89

●川竹文夫 NPO法人ガンの患者研究所 90

1124人のがん患者が交流した集会 90
がんはライフスタイルを改めれば治るのか? 94
「5年生存率向上」はまやかしなのか? 99
「4週間小さくなる」抗がん剤は無意味か? 102
医師の治療を受けることも自覚的である 105
カルト団体傘下の保険適用外治療を紹介 109

●福田稔・安保徹「自律神経免疫療法」 114

交感神経と副交感神経のバランスが大事と提唱 114
量・質ともに不足したデータ 116
科学的見識を疑うコラム 119
「リンパ球の数だけ」で見る現実にそぐわない珍論 121
誰とでも組むことで医学を否定することになりはしないか 128

●野島尚武「超ミネラル水」 130

薬事法的にはアウト、ヒトのデータなし 130
気をつけておかなければならない点 134
「超ミネラル水」にこだわる人たちの体験 136

●朝倉一善『医者もおどろく奇跡の温泉』ほか 140

体験談と飲泉商品紹介の「温泉バイブル本」 140
疑似科学用語の数々 144
温泉に過度の期待を抱かないこと 146

●その他の“ちょっとおかしい”療法 150

石原結實『ドクター石原結實の若返り健康法』ほか 150
甲田光雄『少食の実行で世界は救われる』ほか 154
山田豊文『細胞から元気になる食事』ほか 155

■第3章 テレビの健康情報 157

●関西テレビ「発掘!あるある大事典」 158

主要な部分はすべて捏造 158
企業と科学者の癒着も「反科学」の根源に 161
公権力の揺さぶりだけで根本的な解決にはつながらず 164
痩せ信仰を大きく変える文化が必要 165

●日本テレビ「おもいッきりテレビ」 168

「おもいッきりテレビ」とは何だったのか 168
ありふれたことで煽り、ありふれたもので落とす 171
番組隆盛の背景には「ビジネス」と「国策」 175

●NHK「ためしてガッテン」 179

アディポネクチン値に疑問 179
くずされた言い分 181
健康は特定の数値と全体とのバランスを見るべき 185
「ガッテン」の批判は的はずれか? 190
なぜ「ガッテン」に甘いのか 194

●他のテレビ放送のトラブル 197

白インゲン豆ダイエット法 197
「クローズアップ現代」の番組改編疑惑 198

■第4章 危機煽り本の危うさ 203

●三好基晴『ウソが9割 健康TV』 204

「商売科学」こそ「健康トリック」の真犯人 204
健康情報番組のトリックを暴く 206
「健康」を煽るのも「不健康」を煽るのも同じではないのか 208
科学的誠実さを欠いた危機意識の煽り 211
脱力するしかない結論 215
リスクとベネフィットの両面を示せ 218

●中村三郎『水道水も危ない!』 221

アスベストのリスクは不明 221
20年前のデータを現在は明らかに違う 227
引用と吸入のリスクははっきり区別されている 232
残留塩素はそんなに危険なのか 236
殺菌塩素と抗がん剤の共通点は? 243
安全を求めたはずの結論が「地下水」「ミネラルウォーター」だって? 248

■第5章 芸能人の健康情報 251

●水道橋博士『博士の異常な健康』 252

『博士の異常な健康』読んでみました 252
硬水を勧める無責任さ 253
旧式の体験談で今を語ってもいいのか 255
そんなに若返ることが大切なのか 258
デトックスと分子栄養学の問題点に触れない 263
ヒトを対象にした検証が必要 267
「右肩上がり」の健康感をどう見るか 271

●倖田來未「35歳を過ぎると羊水が腐る」発言 274

「羊水腐る」に「一理」なんかあるものか! 274
彼女は疑似科学の信者であり喧伝者だった 280
彼女だけを責めて済む問題ではないが…… 283

■第6章 “怪しい健康情報”からわかったこと 285

健康情報・こんな点に気をつけよう 286
疑似科学は社会の仕組みを知った上でとらえるべき 292
「理科教育だけ」論は他分野の研究者からも批判 297
疑似科学は一般社会人が自発的に発送するものではありえない 299
「カマキリ叩き」だけで問題は解決しない 301
取り締まれば済む問題なのか 304
代替医療=非科学という紋切り型批判の問題点 307
代替医療に向かう社会的要因 311
今の時点でいえること 314

■健康情報についての参考書籍・サイト 318

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