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『フリーメイソン完全ガイド 上──歴史と組織構成・編』
著:S・ブレント・モリス 
訳:有澤玲
刊行日 2008/11/4
四六判(188o×130o)ソフトカバー。324ページ。本文1色刷。
ISBN978-4-903063-25-6 C0022
2400円(税込2640円)

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概要
現役幹部が明かす秘密結社の素顔
「世界を陰で支配する」と噂される秘密結社、フリーメイソン。そうした陰謀論とは無縁な実像を、最高位階の現役メイソンが丁寧に描き出す。
話題の秘密結社の正体がわかる、欧米で定評ある、最良のフリーメイソン入門書。

著者略歴
S・ブレント・モリス(S. Brent Morris)
数学講師として連邦政府の教育機関で25年間教鞭をとってから、第2の人生をフリーメイソンリーの研究に捧げる。
メリーランド州エリコット・シティーの〈パトモス・ロッジ・第70〉の前棟梁。〈古代公認スコットランド儀礼〉の第33位階の保持者。〈名誉法廷の大十字章〉の受章者。世界最古の研究ロッジであるロンドンの〈戴冠四聖人のロッジ〉に所属する唯一のアメリカ人のメンバー。アメリカの研究ロッジでは、〈フィラレート協会〉の特別研究員、〈フィラクシス協会〉の名誉特別研究員、〈スコットランド儀礼研究協会〉の創設者。
著書に『フリーメイソンリーの慈善活動』『自由の礎石』『フォルガーの手稿』『東方の急進論者』。フリーメイソンリーの雑誌としては世界最大の発行部数を誇る『スコットランド儀礼ジャーナル』編集長でもある。

原著
The Complete Idiot's Guide to Freemasonry, Alpha Books, 2006

訳者略歴
有澤玲(ありさわ・れい)
著述家、翻訳家。学習院大学文学部英米文学科卒。秘密結社研究、日本語表記法、動物分類学などの分野で執筆活動を行なう。
著書に、『秘密結社の事典』(柏書房)、『面白いほどよくわかる世界の秘密結社』(日本文芸社)、『トンデモ フリーメイソン伝説の真相』(楽工社)など。

 

目次
親愛なる読者諸賢へ @
序 C
始めに G

●第1部 フリーメイソンリーの基本的な組織構成

第1章 フリーメイソンリーとは何か? 3

◇まずは、世界最古にして世界最大の友愛結社について、また、その著名なメンバーと伝説的な秘密について、噂やデマに毒されていない本当のところをお知らせすることにしよう。

第1節 現実の友愛結社と、虚構上の友愛結社 5
第2節 文献上の証拠、一三九〇年から一八五〇年 9
第3節 “実践的”から“思弁的”への遷移 12
第4節 フリーメイソンリーの秘密 16
第5節 フリーメイソンリーの儀礼 18
第6節 アメリカのフリーメイソンリーの組織構成 21
各地域のロッジと、州レベルの大ロッジ 22
〈ヨーク儀礼〉と〈古代公認スコットランド儀礼〉 24
〈東方の星〉〈ディモレー結社〉〈虹の少女たち〉〈ヨブの娘たち〉 25
〈聖廟結社〉を始めとする、各種の“娯楽”系のグループ 26

第2章 友愛結社フリーメイソンリーの誕生 29

◇フリーメイソンリーは石材を扱う労働者たちの同業組合として英国で発足し、やがては紳士階級のクラブ組織へと発展していった。

第1節 原初大ロッジの創設、一七一七年 31
第2節 フリーメイソンリーの伝統の成文化 33
第3節 フリーメイソンリーの儀礼の発展 36
第三位階の出現 38
プレストンの『フリーメイソンリーの図説』、一七七二年 40
第4節 〈イングランド連合大ロッジ〉、一八一三年 43
〈古代派〉の大ロッジの登場、一七五一年 43
〈ロイヤル・アーチ〉の重要性 45
敵対関係は植民地へと広まっていった 46
和解と連合、一八一三年 47

第3章 アメリカのフリーメイソンリーの始まり 51

◇アメリカでは遅くとも一七三〇年以前に、メイソンたちがロッジでの活動を開始していた。また、独立革命を主導した名士たちの多くは、フリーメイソンリーという技芸組合のメンバーだった。

第1節 フリーメイソンリーの存在を示すアメリカで最初の証拠 53
第2節 最古の記録文献 54
第3節 地方大棟梁 55
第4節 王党派対愛国派 57
メイソンたちは一致団結して、アメリカ独立革命に当たった? 57
メイソンたちは〈ボストン茶会事件〉に荷担した? 61
独立戦争中のフリーメイソンリー 63
第5節 連邦レベルの大ロッジは成立しなかった 65
第6節 州レベルの大ロッジの出現 68
第7節 フリーメイソンリーと大統領職 70

第4章 アメリカにおける近代フリーメイソンリーの出現 73

◇一八二六年にウィリアム・モーガンが拉致され失踪した事件は、反フリーメイソンリー運動の嵐が吹き荒れる切っかけとなった。この嵐を乗り越えて、アメリカの近代フリーメイソンリーは復興を果たすことになる。

第1節 モーガン事件 74
フリーメイソンリーの儀礼と、モーガンの企画した暴露本 75
フリーメイソンリーの秘義 77
拉致、裁判、そして余波 78
真の批判か、それとも政治上の方便か? 81
第2節 フリーメイソンリーは復活する 83
第3節 ロッジでは、どのようなことが行なわれているのか? 85
アメリカの典型的なロッジの内部の配置 86
役員と“順送りの人事系列” 88/
ロッジの会合、位階の作業、慈善活動、教育活動、社交活動 90

第5章 アフリカ系アメリカ人のフリーメイソンリー 97

◇ボストン在住のプリンス・ホールを筆頭とする十五名の仲間たちが一七七五年にメイソンとなり、イングランドから認証状を受け取った。ここから生まれた友愛結社の鏡像とも言うべき分派には、誇るべき独自の歴史的伝統がある。

第1節 ボストンのプリンス・ホール 99
バット軍曹と〈ロッジ・第四百四十一〉、一七七五年 102/
〈アフリカ・ロッジ・第四百五十九〉、一七八四年 103/
独立宣言、一八二七年 108
第2節 〈全国協約大ロッジ〉 109
第3節 プリンス・ホール・フリーメイソンリーの現況 113

第6章 フリーメイソンリーの正規性 119

◇誰でも自分は“メイソン”だと名乗ることができる。ただし、それを正当化するためには、フリーメイソンリーの世界で“承認”と“正規性”の原則を維持するために培われてきた“相互の同意による協定”という巨大なネットワークを通じて、お墨つきを得る必要がある。

第1節 承認の重要性 120
第2節 起源の正統性 124
第3節 域内における排他的な管轄権 126
第4節 古代の陸標の遵守 129
フランスのフリーメイソンリー 132
ベルギーのフリーメイソンリー 133
第5節 すべては、どこかしらに対して正規である 134

● 第2部 〈東方の星〉〈ヨーク儀礼〉〈古代公認スコットランド儀礼〉

第7章 女性とフリーメイソンリー 139

◇女性が参入儀礼を受けたという事例も散発的に報告されているが、アメリカでより一般的なのは〈東方の星〉を始めとする独自の組織や団体だ。昨今では、男女合同のフリーメイソンリーや、女性のみで構成されたロッジも積極的な活動を行なっている。

第1節 女性のメイソンが存在していたことを示す初期の実例 141
アイルランドのエリザベス・セント・レジャー・オールドワース、一七一〇年前後 142
イングランドのベル夫人、一七七〇年 144
イングランドのハヴァード夫人とビートン夫人、一七七〇年 145
ボストンのハンナ・メザー・クロッカー、一七七八年 145
北カロライナ州のキャサリン・バビントン、一八一五年 146
第2節 〈フランス養子儀礼〉 148
第3節 〈東方の星〉と、その姉妹に当たる組織や団体 149
〈アマランスの結社〉 154
〈エルサレムの白廟〉 155
第4節 そのほかのフリーメイソンリー系のグループに附随する女性のための組織や制度 155
第5節 マリー・ドレームと〈合同メイソンリー〉 157
第6節 女性の大ロッジ 159

第8章 〈ヨーク儀礼〉 163

◇英国起源の〈ヨーク儀礼〉には、〈ロイヤル・アーチ・メイソンリー〉と〈地下洞メイソンリー〉、それにキリスト教徒のメイソンを対象にした〈テンプル騎士団〉という三つの上位ロッジが含まれている。

第1節 “チャプター・メイソンリー”とも呼ばれる〈ロイヤル・アーチ・メイソンリー〉 166
〈ロイヤル・アーチ〉の位階 166
アメリカのロイヤル・アーチのチャプターで授与される、そのほかの位階 170
第2節 〈地下洞メイソンリー〉の〈王の棟梁〉と〈選抜されし棟梁〉 174
第3節 騎士道のフリーメイソンリーたる〈テンプル騎士団〉 178
テンプル騎士団の各位階 180
テンプル騎士団のユニフォーム 184
第4節 ヨーク儀礼の成立 187

第9章 〈古代公認スコットランド儀礼〉 191

◇フランスから輸入された〈古代公認スコットランド儀礼〉では、第四から第三十二までの各位階が授与される。第三十三位階は、友愛結社か人類に対してほかに類を見ないほどの貢献をなしたメイソンだけに授けられる特別な名誉である。

第1節 フランスの上位位階 194
“最も深遠なる密儀”  195
フランスの“皇帝”たちと“騎士”たち 197
第2節 エティエンヌ・モランの発明品 199
第3節 最初の〈最高評議会〉、チャールストン、一八〇一年 201
第4節 アメリカで二番めの最高評議会、ニューヨーク、一八〇六年 204
第5節 “友愛劇場”という新機軸 206
第6節 古代公認スコットランド儀礼の現在の運用体制 209
第7節 古代公認スコットランド儀礼の各位階 213
第8節 第三十三位階を始めとする各種の栄誉 216

● 第3部 より高いところを目指し、娯楽に興じ、より多くを行なう

第10章 まだまだある、フリーメイソンリー系の組織や団体 223

◇〈ヨーク儀礼〉も〈古代公認スコットランド儀礼〉も、フリーメイソンリーという大海の中では氷山の一角にすぎない。メイソンたちが友愛結社の活動に、より積極的な形で携わることのできる手段や方法は、まだまだ幾らでもある。

第1節 〈ヨーク儀礼〉系の“招請式”の組織や制度 225
〈コンスタンティヌスの赤十字の騎士団〉 226
〈ヨークの名誉十字章の騎士団〉 227
〈聖なるロイヤル・アーチとテンプル騎士の祭司団〉 228
〈同系メイソン位階群〉 229
〈騎士メイソンリー〉 231
〈ヨーク儀礼全権コレギウム〉 231
第2節 研究ロッジと歴史協会 232
〈戴冠四聖人のロッジ〉 233
〈連邦フリーメイソンリー研究協会〉 234
〈フィラレート協会〉 234
〈北カロライナ研究ロッジ〉 235
〈アメリカ研究ロッジ〉 236
アメリカ合衆国の〈儀礼大コレギウム〉 236
〈フィラクシス協会〉 237
〈スコットランド儀礼研究協会〉 237
第3節 そのほかのフリーメイソンリー系のグループ 238
〈スコットランド王立騎士団〉 239
〈合衆国メイソンリー薔薇十字協会〉 240
〈キオス人の古代エジプト結社〉 241
〈連邦逗留者団〉 241
〈国際正午団〉 242
〈青修道士協会〉 243
〈聖都善行騎士団〉 243
〈管区会堂長の全権騎士団〉 244
第4節 世界各地にある、そのほかのフリーメイソンリーの〈儀礼〉 244
第5節 ワシントン・D・Cの“フリーメイソンリー週間” 245

第11章 フリーメイソンリー系の“娯楽”組織と、青少年向けのグループ 249

◇〈聖廟結社〉は“フリーメイソンリーの遊び場”だ。ほかにも、メイソンたちに社交活動の機会と場を提供し、多種多彩な特筆すべき慈善活動に熱を入れて取り組んでいる“娯楽”グループはたくさんある。また、フリーメイソンリーが後援している青少年向けのグループとしては〈ディモレー結社〉〈ヨブの娘たち〉〈虹の少女たち〉などがある。

第1節 フリーメイソンリー系の“娯楽”グループが生まれるに至った時代背景 251
第2節 〈聖廟結社〉 253
聖廟結社の活動実態 259
〈道化師の王立結社〉 260
〈クェツァルコアトル結社〉 261
〈カビリ〉 262
〈ヒルビリー位階〉 262
第3節 〈岩窟〉 263
第4節 〈高いレバノン杉〉 265
第5節 フリーメイソンリーが後援している青少年向けのグループ 266
男児を対象とする〈ディモレー結社〉 266
〈国際・ヨブの娘たち〉 268
〈少女のための虹の国際結社〉 268
そのほかの青少年向けのグループ 269

第12章 フリーメイソンリーの慈善活動 273

◇メイソンたちは一日当たり二百万ドル以上、年間にすれば七億五千万ドル以上もの資金を慈善事業に注ぎ込んでいる!

第1節 地域レベルの支援活動 275
第2節 州レベルに広がった慈善活動 279
孤児院と老人ホーム 279
フリーメイソンリー系の大学 281
第3節 地方レベルと国家レベルを合わせた慈善事業 283
〈古代公認スコットランド儀礼〉が運営している児童病院 284
〈聖廟結社児童病院〉 285
〈北アメリカ・メイソン奉仕協会〉 289
古代公認スコットランド儀礼が運営している言語障害クリニック 290
〈テンプル騎士団眼科財団〉 291
特別な配慮を必要とする子供たちのための歯科治療 291
〈キャンプ・シコタ〉 293

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