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サイエンス入門U
『サイエンス入門U』

著:リチャード・ムラー
訳:二階堂行彦
刊行日 2012/6/01
四六上製(188×130)ハードカバー。332ページ。 本文1色刷。
ISBN978-4-903063-55-3 C0040
定価(本体1900円+税)

 

知っておくべき最低限の科学。 

身近な事柄を題材に、やさしく深く解説。


 普通の物理学専攻の学生は、本書で取り上げているような事柄については知り ません。核兵器、バッテリー、レーザー、X線、ガンマ線などについて、ほとんど何も知らないのです。ためしに物理学科の学生に、核兵器がどうやって爆発す るのか聞いてみてください。高校のころにすでに学んだ以上のことは、答えられ ないでしょう。
 この講義によって、物理学がいかにおもしろいか、そして現代の国際問題とど のように関係しているのかを知ることができます。わたしの仕事は、知識への渇望(ルビ:かつぼう)を満たし、二度と物理学に対する苦手意識に押しつぶされ ることがないようにすることです。(本書より)

「明快でわかりやすく、わくわくするほどおもしろい。おまけにユーモアもきい ている。物理学のあらゆるトピックスを網羅したこれほど内容の濃い本は、いま までなかった。現代の社会的・政治的なさまざまな問題についても、誰でもよく わかるように解説してくれている。本書は、すみからすみまで興味の尽きない話 が満載だ。これを読めば、人々の科学的リテラシーは大きく向上するだろう」
——マーク・オレグリア(シカゴ大学物理学教授)

 

<著者紹介>
リチャード・A・ムラー(Richard A. Muller)
 カリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。マッカーサー・フェロー賞(別名「天才賞」)の受賞者。政府の筆頭顧問を長年務める。米国国会が全米科学アカデミーに要請して行われた地球温暖化の証拠の見直し作業においては、見直しを第三者として審査する審査官を務めた。米国PBS(公共放送サービス)等のテレビ番組への専門家としての出演もしている。
 本書は、著者が文科系学生を対象に行っている有名な講義(学生の投票によって決まる「バークレー校のベスト講義」に選ばれた)をベースにしたもの。この講義を基にした書籍は英語圏で2冊出版されており、そのうち1冊は『今この世界を生きているあなたのためのサイエンスT・U』(弊社刊)として既に邦訳が刊行されている(既刊『今この世界〜』は時事問題を軸として構成された簡略版であり、本書『サイエンス入門T・U』はよりオーソドックスな教科書的スタイルで書かれた詳細版という違いがある)。なお、著者の講義はWEB上のYouTubeなどで公開されており、著者によると、それを視聴した87ヵ国にも及ぶ国の人々から、感謝と称賛の声が寄せられているという。

<訳者紹介>
二階堂行彦(にかいどう・ゆきひこ)
 翻訳家。主な訳書に『Webアプリケーション開発教本:PHP and MySQL編』、『最新ロボット工学概論』(以上、センゲージ・ラーニング)、キティ・ファーガソン『光の牢獄――ブラックホール』(ニュートンプレス)、『スーパーヒューマン――人体に潜む驚異のパワー』、ダイアン・アッカーマン『いのちの電話――絶望の淵で見た希望の光』(以上、清流出版)などがある。

 

サイエンス入門

T・U巻の構成

[T] 
第1講 エネルギーと仕事率と爆発の物理
第2講 原子と熱
第3講 重力と力と宇宙
第4講 原子核と放射能
第5講 連鎖反応と原子炉と原子爆弾
第6講 電気と磁気
第7講 波──UFO、地震、音楽など

[U] 
第8講 光
第9講 不可視光
第10講 気候変動
第11講 量子物理学
第12講 相対性理論
第13講 宇宙

 

U巻目次

本書を読む前に 15

カラー図版 17

第8講
光 33
@ 光のハイテクへの応用例 34
A 光とは何か 36
 光は電場と磁場からなる波 36
 光の波は超高速で振動している(周波数がひじょうに高い) 38
 (光)通信の基礎理論──「情報理論」 39
 光ファイバー 42
B 色と周波数 43
 光の周波数の違いは「色」の違いとして現れる 43
 人間の目に備わっている4 種類のセンサー 45
 コンピュータスクリーン上の白はニセの白 47
 色覚異常──目のセンサーの異常 48
 4 種類の色センサーを持つ人も実在する 48
 1000 種類もの色センサーを持つものもある
 マルチスペクトル・カメラ 48
 知覚に関する答えのない議論 49
C 画像とは何か 50
 ピンホールカメラ──画像をつくるもっとも単純な装置 51
 カメラに似ている人間の目の仕組み 53
D 鏡──その驚くべき特性 55
 反射鏡 56
  ◎レーダー反射鏡 57
  ◎月の反射鏡 58
E 低速光──真空中の光速度より遅い光 60
 真空中の光速度÷物質中の光速度=屈折率 62
 光の速度の違いによって生じる幻覚──蜃気楼 62
 白い光がさまざまな色に分離する「光の分散」は、
 ダイヤモンドの美しさの秘密 64
 プールの底の物体が浅いところにあるように見える理由
 ──光の屈折 66
 虹ができる仕組み──光の分散が原因 67
F レンズ──拡散する光を一点に集めることができる 69
G 目の構造──2つのレンズが備わる 70
 近視と遠視(老眼)のメカニズム 71
 赤目現象と明るい道路標識──いずれも光源の方向へ反射する光 72
H 望遠鏡と顕微鏡──レンズで画像をつくる装置 73
 ケック天文台とハッブル望遠鏡 74
I 光の拡散──回折 75
 拡散の量(解像度)を求める方程式 75
 偵察衛星──ハッブル望遠鏡を例にしたの解像度の計算 77
 人間の目の解像度の計算 78
J ホログラム──鏡像を定着させたもの 79
K 偏へん光こう──特定の方向にのみ振動する光波 80
 偏光の利用例──ポラロイドサングラス 82
 交差偏光──物体の壊れやすい部分を見つける 83
 偏光の利用例──液晶とLCD 84
 偏光の利用例── 3D ムービー 84


第9 講
不可視光 87
@ 暗闇の中の不法入国者を暗あん視し 双眼鏡で見た話 88
A 赤外線放射 90
 暗視双眼鏡が感知していたのは人体が放射する赤外線 90
 熱放射と温度 92
  ◎赤熱 92
  ◎白熱  93
  ◎青白 93
 放射の総量は温度の4 乗倍に比例する 94
  ◎タングステン電球の放射 96
  ◎加熱ランプと「熱放射」(赤外線) 96
 どうして不法入国者の姿が暗闇の中で見えたのか 97
 赤外線探知による地球の表面温度の測定 98
 赤外線を利用する気象衛星 99
 赤外線を利用する軍事用の特殊光学装置 99
 赤外線放射物体を追尾するスティンガーミサイル 100
 赤外線を感知するマムシと蚊 101
 赤外線リモコン 102
 煙や塵ちりを透視する
 ──消防の現場と天文学における赤外線の利用 103
B 紫外線 103
 強い紫外線を出すブラックライト 103
 紫外線と日焼けとガン 104
 紫外線殺菌灯 105
 浄水場での紫外線利用
 ──発展途上国に安くて清潔な水を供給する 105
C 紫外線とオゾン層 106
 紫外線から人間を守るオゾン層の減少 106
 オゾン層を破壊していたフロン(CFC) 109
D その他の電磁放射 110
 電波── AM、FM、テレビ 110
 マイクロ波とは 112
 マイクロ波の例──レーダー 113
 マイクロ波の例──電子レンジ 114
 X 線とガンマ線 114
E 医用画像の撮影における電磁波の利用 116
 X 線画像 116
 MRI(旧称NMR) 119
 CAT スキャン(コンピュータ断層撮影) 121
 PET スキャン(陽電子放出断層撮影法) 121
 サーモグラフィー 124
 超音波画像診断 124
F 超音波──コウモリと潜水艦の例 125


第1 0 講
気候変動 129
@ 地球温暖化 130
 今後50 年で気温が摂氏15 〜 5 度上昇する(最良推定値) 130
 まずIPCC による科学的「コンセンサス」
 を正しく知ることが重要 132
 1850 年〜 1950 年までの気温上昇
 ──自然な原因による可能性が高い 134
 1957 年〜現在までの気温上昇
 ──人間活動が原因である可能性が90 パーセント 135
 1850 年以前の気温の推定値 136
 二酸化炭素とは 139
 大気中の二酸化炭素量── 20 世紀に36 パーセント急増 140
 温暖化の原因となる温室効果とは何か 142
 温室効果の増大──大気中の二酸化炭素と水蒸気の増加が原因 145
 極地の温暖化がもっとも大きい 147
 温暖化に関する数々の誇張 147
 ハリケーン・カトリーナが温暖化によって生じたとする誇張 148
 温暖化で竜巻が増加しているとする誇張 151
 温暖化で南極の氷が融けているとする誇張 153
 人為的な地球温暖化と自然現象としての地球温暖化を
 分けて議論するのが重要 155
 それでも90 パーセントの確率で人間活動による
 温暖化が生じている 156
 地球温暖化を止めることはできるのか
 ──世界のエネルギー需要予測を考慮して 156
 化石燃料資源はまだまだ枯渇しない 161
 石炭と水から石油をつくる──フィッシャー・トロプシュ法 163
A 解決策 164
 エネルギーの効率化と省エネルギー 165
 クリーンな石炭 167
 バイオ燃料 169
 風力発電 170
 太陽光エネルギー 171
  ◎太陽熱発電 171
  ◎太陽電池(PVC) 173


第1 1 講
量子物理学 175
@ 量子物理学とは 176
 コピー機、デジカメ、コンピュータ──
 ハイテクの多くが量子物理学の応用技術 176
 キーワードは「波と粒子の二面性」 176
A 電子波 178
 電子は波。その周波数は「アインシュタインの方程式」で
 算出できる 178
 原子の中では、電子の波は自身に重なり
 自身の存在を打ち消す危険性がある? 180
 原子の中では、電子エネルギーは特定の値になる
 (「量子化」される) 180
  ◎軌道に縛られていない電子のエネルギーには制限がない
  (量子化されない) 182
 量子飛躍──特定の軌道から軌道への電子の移動
 (エネルギー変化を伴う) 183
  ◎放出される光のエネルギー値は
   「アインシュタインの方程式」で算出できる 183
  ◎量子飛躍で放出される光のエネルギー値、周波数、
   色は限定される 184
  ◎量子飛躍の制約を受けない(軌道に縛られていない)電子の
   エネルギー値、周波数、色は特定の制限を受けない 185
  ◎色を「指紋」として活用する 186
 光子とは──光の量子。
 光の最小エネルギー量 hf を「光子1個」とみなす 187
B レーザー──量子連鎖反応 188
 レーザー生成に利用される「誘導放出」の原理とは 189
 「光子(光の量子)の連鎖反応」の原理を利用した
 さまざまなレーザー 190
 レーザー光の特殊な性質──光子の周波数と方向が同じ 191
 レーザーによる計測 194
 バーコードを読み取るスーパーマーケットのレーザー 195
 CD やDVD にもレーザーが利用されている 196
 レーザー洗浄 197
 レーザー兵器 198
 レーザーの制御熱核融合への利用 199
 レーザー眼科手術 200
C 光こう電でん効果 202
 光電効果は原子中の電子に光子がぶつかり電子を弾き出す現象。
 電流生成などに利用される 202
 太陽電池 202
 デジタルカメラ 205
 光ファイバー──ノイズを避けるには高い出力も必要 207
 画像増強管と暗視装置 208
 コピー機とレーザープリンター 210
D ガンマ線とX 線 211
 ガンマ線のエネルギーは可視光の光子の500 万倍。
 X線は2万倍 211
E 半導体トランジスタ 213
 半導体トランジスタは2 つの異なる特性の半導体を接合したもの。
 特性の差を利用する 213
F ダイオード・トランジスタ 215
 ダイオード・トランジスタは交流電流を直流電流に
 変換する「整流器」 215
 発光ダイオード(LED)
 ──光子放射で全エネルギーを一度に失う 216
 レーザー・ダイオード──誘導放出を利用 218
G トランジスタ 219
 トランジスタは半導体を使った増幅器 219
 1 個のシリコンチップに多くのトランジスタを搭載する
 コンピュータの集積回路 221
  ◎自由選択学習:論理ゲートについて 223
H 超伝導体 224
 抵抗ゼロの秘密は、エネルギーギャップにあった 224
I 電子顕微鏡 227
J 量子物理学をもっと深く知る 229
 光子は本当に存在するのか 229
 光は波。だが放出されるときと吸収されるときは粒子になる 231
 その他の波(水すい波は は 、音波、電波など)も
 量子化されるのか? 232
 地球の軌道は量子化されるのか? 233
 波と粒子の二面性 234
 不確定性 235
 エネルギーの不確定性 236
 光波のどこで電子が弾き出されるかを
 確定予測することはできない 237
 それでもエネルギーは保存されるのか 239
  ◎自由選択学習:不確定性原理のくわしい説明 240
K トンネル現象 242
 粒子がエネルギー保存則を破ったように見える現象 242
 トンネル現象の例──アルファ放射能 242
 応用例──走査トンネル顕微鏡(STM) 244
 太陽の核融合もトンネル現象による 246
L 量子コンピュータ 247
 不確定性原理を利用する。実用化できるかは不明 247


第1 2 講
相対性理論 251
@ 時間に関する筆者と学生の対話 252
 相対性理論の核心は、時間と空間の性質 253
  ◎特殊相対性理論と一般相対性理論 254
A 「4 次元」に深い意味はない 255
B 時間の膨張 257
 物体の移動速度が上がると時間が
 膨張する(時間の進み方が遅くなる) 257
  ◎「アインシュタイン因子」で、
   時間が進むペースを計算できる 259
  ◎自由選択学習:数学で遊びたい人のための練習問題 261
 でも……でも……どうして速度によって時間が変わるのか? 262
 すべての運動が相対的というわけではない 263
  ◎自由選択学習:慣性系 263
C ローレンツ収縮 264
 物体の移動速度が上がるとその物体の長さが縮む 264
D 相対速度 266
 移動する物体同士の相対速度はつねに光速以下になる 266
 光速度の不変性 268
  ◎自由選択学習 268
E エネルギーと質量 270
 物体の質量は速度によって変わる 270
  ◎まとめ─物体が動いているとき、時間は遅くなり、
   長さは縮み、質量は増大する 271
  ◎ E=mc2 ──物体が持つエネルギーの計算式 271
  ◎静止エネルギー──粒子(物体)は静止状態でも
   膨大なエネルギーを持っている 273
  ◎陽子の静止エネルギーは938 メガ電子ボルト、
   電子の静止エネルギーは0511 メガ電子ボルト 274
  ◎反物質エンジン──電子と反電子、陽子と反陽子を
   反応させる究極のエネルギー生成法 275
 光子の静止質量はゼロ(静止エネルギーもゼロ) 276
  ◎ガラスの中を進むときには光子の静止質量は
   ゼロではなくなる 277
  ◎質量ゼロの粒子は年をとらない 278
  ◎ニュートリノには質量があるのか 279
  ◎なぜ光速に達することはできないのか 280
  ◎ E=mc2 と原子爆弾 281
  ◎超光速粒子タキオン──存在するかは不明 281
  ◎自由選択学習:タキオンの数学 283
  ◎自由選択学習:虚数 285
 同時性──2つの事象が同時に起きているかどうかの測定は
 原理的に不可能? 286
F 一般相対性理論──重力の理論 288
 速度が空間と時間を変えるように、質量とエネルギーも空間と
 時間を変える 288
 相対性理論の実用的用途── GPS への応用 290
G 時間に関する根本的な疑問 292
  ◎疑問に対する答え 294


第1 3 講
宇宙 295
@ 宇宙についての疑問 296
A 太陽系 297
 46 億年前の星の爆発で誕生 297
 彗すい星せい──惑星群の外側で活動 299
 ネメシス──まだ見ぬ太陽のパートナー 299
 ほかの恒星系(太陽系外)の惑星 300
B 銀河 301
 わたしたちの銀河(=天の川銀河)とアンドロメダ銀河 301
 そのほかの銀河 303
 暗黒物質──宇宙の質量の大部分を占める正体不明の物質 304
  ◎暗黒物質の候補──ウィンプ 305
  ◎暗黒物質の候補──マッチョ 306
 通信可能な地球外生命が存在する確率を計算する 306
C 宇宙を見ることは過去を見ること 308
D 膨張する宇宙 310
 宇宙は発はっ酵こうしてふくらむ
 干しブドウ入りのパンのようなもの 310
 宇宙の膨張の仕方を表す「ハッブルの法則」 312
E 暗黒エネルギー 313
 宇宙の膨張を加速させる未知のエネルギー 313
F 宇宙の始まり 315
 140 億年前のビッグバンで誕生 315
 ビッグバン 316
 ビッグバン理論の物理的証拠── 3K 宇宙マイクロ波放射 317
 元素の創生と生命の誕生 319
 ブラックホール 320
 宇宙は無限か有限か? 322
 「ビッグバン以前の宇宙」はありえるのか 324
G 万物の理論 325

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