温暖化、オゾン層、核戦略
彼らの嘘が世界を動かす!
40年間にわたって全人類的課題についてニセ情報を流し、対策を遅らせてきた科学者たちの暗躍を描く、衝撃の書。
冷戦時代に子供だった人たちは、ソ連が日常的に歴史の浄化にいそしみ、実際にあった出来事や実在の人物を、公式の歴史から消していると教えられた。「アメリカの自由」の右派擁護者たちは、いまそれと同じことをやっている。科学者たちが苦労して成し遂げた研究、大統領科学諮問委員会の理性的な熟議、超党派的な合意は、記憶の穴に流されてしまった。……酸性雨、二次喫煙、オゾンホール、地球温暖化、こうした問題を結びつける共通の糸は「市場の失敗」だ。自由市場のイデオロギーとかつての「冷戦の戦士」たちが結びついて対抗しようとした理由はそこにあった……。 (本書より)
「魅惑にみちた重要な研究……『世界を騙しつづける科学者たち』は広く読まれる価値のある本だ。科学情報を一般大衆に伝える仕事に携わっている人たち全員に、本書を読むことを義務づけたくなる」
——フィリップ・キッチャー(科学史家。『サイエンス』誌上で)
<著者紹介> ナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes) カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。専門は科学史。『サイエンス』誌に掲載された "Beyond the Ivory Tower"(象牙の塔を超えて)は、地球温暖化否定論に対する戦いの里程標となった。著書に、The Rejection of Continental Drift: Theory and Method in AmErikan Earth Science(大陸移動の否定──米国の地球科学研究における理論と方法)、Oxford University Press などがある。
エリック・M・コンウェイ(Erik M. Conway) NASAジェット推進研究所(JPL)の研究員。Atmospheric Science at NASA: A History(NASAの大気科学——ある歴史)など、4冊の著書がある。
<訳者紹介> 福岡洋一 (ふくおか・よういち) 1955年生まれ。大阪大学文学部卒(英語学)。翻訳者。 訳書に、『ビーイング・デジタル』(アスキー)、『「複雑系」を超えて』(アスキー、共訳)、『古代文明の謎はどこまで解けたか T〜V』(太田出版)、『懐疑論者の事典 (上下)』(楽工社、共訳)、『幻想の古代史 (上下)』(楽工社)、『コールド・リーディングー―人の心を一瞬でつかむ技術』(楽工社)など。 |