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サイエンス入門T
『世界を騙しつづける科学者たち 下』

著:ナオミ・オレスケス+エリック・M・コンウェイ
訳:福岡洋一
刊行日 2011/11/29
四六上製(188×130)ハードカバー。327ページ。 本文1色刷。
SBN978-4-903063-53-9 C0020
1900円(税込2090円)

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温暖化、オゾン層、核戦略

彼らの嘘が世界を動かす!

40年間にわたって全人類的課題についてニセ情報を流し、対策を遅らせてきた科学者たちの暗躍を描く、衝撃の書。 

冷戦時代に子供だった人たちは、ソ連が日常的に歴史の浄化にいそしみ、実際にあった出来事や実在の人物を、公式の歴史から消していると教えられた。「アメリカの自由」の右派擁護者たちは、いまそれと同じことをやっている。科学者たちが苦労して成し遂げた研究、大統領科学諮問委員会の理性的な熟議、超党派的な合意は、記憶の穴に流されてしまった。……酸性雨、二次喫煙、オゾンホール、地球温暖化、こうした問題を結びつける共通の糸は「市場の失敗」だ。自由市場のイデオロギーとかつての「冷戦の戦士」たちが結びついて対抗しようとした理由はそこにあった……。 (本書より)

「魅惑にみちた重要な研究……『世界を騙しつづける科学者たち』は広く読まれる価値のある本だ。科学情報を一般大衆に伝える仕事に携わっている人たち全員に、本書を読むことを義務づけたくなる」

——フィリップ・キッチャー(科学史家。『サイエンス』誌上で)

 

<著者紹介>
ナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)
カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。専門は科学史。『サイエンス』誌に掲載された "Beyond the Ivory Tower"(象牙の塔を超えて)は、地球温暖化否定論に対する戦いの里程標となった。著書に、The Rejection of Continental Drift: Theory and Method in AmErikan Earth Science(大陸移動の否定──米国の地球科学研究における理論と方法)、Oxford University Press などがある。

エリック・M・コンウェイ(Erik M. Conway)
NASAジェット推進研究所(JPL)の研究員。Atmospheric Science at NASA: A History(NASAの大気科学——ある歴史)など、4冊の著書がある。

<訳者紹介>
福岡洋一 (ふくおか・よういち)
1955年生まれ。大阪大学文学部卒(英語学)。翻訳者。
訳書に、『ビーイング・デジタル』(アスキー)、『「複雑系」を超えて』(アスキー、共訳)、『古代文明の謎はどこまで解けたか T〜V』(太田出版)、『懐疑論者の事典 (上下)』(楽工社、共訳)、『幻想の古代史 (上下)』(楽工社)、『コールド・リーディングー―人の心を一瞬でつかむ技術』(楽工社)など。

目次

*歴代米国大統領の在任期間 
*登場人物紹介 

●第五章 「悪い科学」とは? 誰が決めるのか?──二次喫煙をめぐる戦い 
  二次喫煙の歴史 
  悪い知らせをもたらすものへの非難──EPAに対する業界の攻撃 
  自由企業体制を守るためのタバコをめぐる戦い 

●第六章 地球温暖化の否定 
  一九七九年──気候にとっての転換の年 
  組織的な遅延──全米科学アカデミー(NAS)の二次、三次評価 
  「温室効果」に「ホワイトハウス効果」で対応 
  原因は太陽に 
  ロジャー・レヴェルへの攻撃 
  さらに積み重ねられた否定 

●第七章 否定ふたたび──レイチェル・カーソンへの修正主義者の攻撃 
  『沈黙の春』と大統領科学諮問委員会 
  政治的戦略としての否定 
  オーウェル的な問題 

●結論──自由な言論と自由な市場 
  科学のポチョムキン村 
  言論の自由と自由市場 
  市場原理主義と冷戦の遺産 
  テクノロジーはわれわれを救えないのか? 
  テクノフィデイズム 
  なぜ科学者たちは抵抗しなかったのか? 

●エピローグ──科学の新しい見方 

  *謝辞 
  *注 

■上巻
●序章 
●第一章 疑念の売り込み 
●第二章 戦略防衛、「事実」の構築、ジョージ・C・マーシャル研究所の設立 
●第三章 疑念の種をまく──酸性雨 
●第四章 対抗のための物語──オゾンホールをめぐる戦い 

 

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