水・糖類・炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・気体・熱──
食材・料理の、より根源的な構成要素である
これら8つの「成分」には、どんな特徴があるのか?
科学者で料理人でもある著者が、
肉眼では見えない「成分」の「ふるまい方」を
オールカラーのイラスト・写真付きでやさしく解説。
料理中にミクロのレベルで起きていることをイメージし、
料理をより思い通りデザインできるようになる
画期的ガイド。
IACP(国際料理専門家協会)ベストブック賞 受賞作
推薦
「私が駆け出しの料理人だった頃に、この本があったらよかったのに。
そう思わせる本だ」
ダニエル・ハム(「世界のベストレストラン50」ランキング第1位獲得店「イレブン・マディソン・パーク」料理長)
本書「はじめに」より抜粋:
「ジャガイモ、チーズ、キャビアはすべて食材である。食材は、もっと単純なもの、すなわち食べ物の基本構成要素である「成分」でできている。成分には8種類ある。…本書は[調理科学の]本や論文の挿絵入り雑誌バージョンだと思ってほしい。たとえやイラストや写真を使って、食べ物の仕組みの基本原則をお見せしている。本書を読んだ後には、頭の中に生まれたイメージのおかげで、見えないものを心に思い描けるようになるだろう。食べ物の食感、味、香り、外観の裏にある顕微鏡でしか見えないドラマを想像することができる。まるで透視能力を手にして料理をするような体験になる」
<著者>
アリ・ブザーリ(Ali Bouzari)
料理科学者、作家、教育者であり、カリフォルニア北部に拠点を置く料理研究開発企業Pilot R+Dの共同設立者。食品生化学の博士号を持つシェフとして、アイビーリーグからカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカまでトップクラスの大学で教鞭をとり、カリキュラムを開発。そのかたわらでトーマス・ケラー・レストラン・グループなどの全米有数の革新的レストランとコラボレーションするなど、料理の捉え方を変える流れを牽引してきた。本書の原著は国際料理専門家協会(IACP)ベストブック賞の参考図書部門賞を受賞した(2017年度)。
<日本語版監修者>
川崎寛也(かわさき・ひろや)
調理科学者、感覚科学者。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了、博士(農学)。味の素(株)食品研究所エグゼクティブスペシャリスト。特定非営利活動法人 日本料理アカデミー理事。研究分野は、おいしさの科学、プロの調理技術の解明、食の体験と心理的価値の関連解明など。おもな執筆書に『味・香り「こつ」の科学』『おいしさをデザインする』『だしの研究』『料理のアイデアと考え方』『料理のアイデアと考え方2』(以上、柴田書店)、『日本料理大全 だしとうま味、調味料』(共著、特定非営利活動法人日本料理アカデミー)、『料理すること その変容と社会性』(共著、ドメス出版) ほか
<翻訳者>
廣幡晴菜(ひろはた・はるな)
英語翻訳者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。訳書にアンナ・ファイフィールド『金正恩の実像 世界を翻弄する独裁者』(共訳、扶桑社)、スーザン・ジャングほか『シグネチャー・ディッシュ 食を変えた240皿』(共訳、KADOKAWA)など。
原著:INGREDIENT:Unveiling the Essential Elements of Food, 2016
|