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ファロスの日本史
『ファロスの日本史』


著:平野 純
刊行日:2023/6/1
四六判(127×188mm)並製
447ページ 本文1色刷
ISBN978-4-910900-01-8 C0021
2,200円(税込2,420円)

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世界各地で信仰の対象となってきたファロス=男根(像)。
このファロス信仰は、日本ではいかに誕生し展開したのか?
天皇・仏教との関係を軸にたどる、日本ファロス文化の通史。図版40点収録。

・縄文人はなぜ巨大石棒を作ったのか?
・イザナキ・イザナミが「柱」を廻り、まぐわうことの意味
・「道鏡は女帝をたぶらかした巨根の大悪人」は本当か?
・男系優位(ファロス優位)を強固にしたのは、仏教の女性嫌悪思想?

ファロス文化から、日本史を読み直す!

<著者>
平野 純(ひらの・じゅん)
作家・仏教研究家。1953年東京生まれ。東北大学法学部卒。1982年『日曜日には愛の胡瓜を』で第19回文藝賞受賞。作家活動と並行して仏教文化を研究。インド仏教が日本の性愛の文化に与えた影響が近年の主要な探求のテーマである。著書に、『はじまりのブッダ』、『謎解き般若心経』(以上、河出書房新社)、『裸の仏教』、『ブッダの毒舌』(以上、芸術新聞社)、『怖い仏教』(小学館新書)、『村上春樹と仏教』(T・U)、『「無常先進国」ニッポン』、『怖すぎる仏教』(以上、楽工社)など多数。

 

目次

はじめに

第一章 道鏡という名のファロス
今日も生きる道鏡伝説/江戸の川柳にみる道鏡/道鏡と孝謙天皇のペア/呆れる内容の川柳/道鏡、「和製ラスプーチン」として映画になる/「処女天皇」との運命の出会い/孝謙上皇の帝権分割宣言/怒りに火をつけたもの/「エリート僧」道鏡/言ってはならぬことを言う/鑑真上人の「心眼」/異例の出世のはじまり/朝廷内の微妙な空気/「道鏡に野心はない」……?孝謙上皇、再び天皇になる/「逆賊道鏡」のリアル/「仏教に淫した」天皇たち/天皇を看取とった禅師集団/「父親っ娘」孝謙の悲しみ/『大般若経』を読ませる/仏教は古代の「グローバル民主主義」/日本史上初・尼天皇の誕生/「法王道鏡」、正月の拝賀を受ける/宇佐八幡宮の神託と孝謙/最後の行幸の宴/孝謙の死と道鏡の追放/「掟破りの八年」の幕が下りる/「怪物」道鏡、死す/道鏡の「よかったこと」/口は災いの元/道鏡伝説のはじまり/「恐ろしいお方」の歌/高僧と貴婦人たち/「道鏡と孝謙」の奇妙な復活

第二章 「イザナキ・イザナミ」神話の原風景
『古事記』の国生み神話/不都合な真実/女が先に口をきくと……/セキレイの教え/琉球の「アダムとエヴァ」伝説/性のいとなみと罪の意識/神話をこえてさかのぼる/豊穣と生殖の重ね合わせについて/『古ヨーロッパの神々』/縄文土偶が物語る精神文化/ストーンサークルに立つ日時計/ブリテン島の先史遺跡/ホモ・サピエンスの認知の普遍性/石棒の出現/スピリチュアリズムではない……?/「父系優先思想」の遠いウブ声/信州佐久の縄文人たち/「霊」と「神」の定義とは/縄文人の死生観の特色/石棒と石皿が明かすもの

第三章 男と女が柱を廻るとき
孝謙女帝がみた歌垣/ペー族の求愛の行事/「高く屹立したもの」の周囲を廻る/orgy(オージー)の訳語について/『古事記』はエロティックか?/一九三〇年代の国粋主義者/「これは見せてはならぬもの」/ホコとは男根のこと/センシティブな話題/「天の御柱」の元をたどる/インテリと民衆/ファロスを祀る習俗/金精大明神をめぐる騒動/消失した雑魚寝文化/祭りの夜のパートナー/神話は楽しむもの/現代の「男系・女系天皇論争」/男性原理の崇拝の起源/天孫降臨神話の男女対決/異形の神を圧倒/飛鳥坐神社の奇祭/天狗の赤い鼻/「敗北する男根」の神サルタヒコ/清少納言の死と猟奇伝説/新たな挑戦

第四章 乱交、そしてイケニエ……
びぼうずとコスプレ/江戸歌舞伎の道鏡/道鏡が地獄に落ちなかった訳/『新猿楽記』の白太主/男女和合の聖天様/神社の「穢れた悪臭」とは/「神々によるご利益はなかった」/死骸の骨や肉を埋める/ガス抜きとしての乱交/近親相姦の禁止令/獣姦の風習について/「大悪天皇」雄略の食べた物/イケニエの風習はあたりまえのもの/妊婦の呪的なパワー/仏罰への怖れ/神道の穢れの起源は仏教/「女人不成仏」思想の登場/フェイク・ニュースの巨匠

第五章 『ジャータカ』説話の女たち
『ジャータカ』のデーヴァダッタ/前世で猿だったブッダ/兄弟で人肉を分け合う/「殺されるべきは悪女なり」/不浄の烙印を押された生き物/「極楽浄土に女はいない」/「月の障り」という読み替え/親鸞は女性差別論者?/?帰命頂礼血盆経……/どうすれば女は救われるのか?/『沙石集』の妊婦/本地垂迹説の論理/孝謙の治世の評価/女は淫慾の巣か

エピローグ 竹原の地に道鏡・孝謙の祠を訪ねて
各章の注
参照文献
おわりに

 

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