目次
監訳者解説 友野典男
第一章 ノーベル賞記念講演 限定合理性の地図
・本講演の三つのテーマ
・知覚が、直接利用できる特徴と、直接利用できない特徴がある
・直感は高度なことをするが、系統だったバイアスやエラーも犯す
・知覚の特性1──「変化」に集中し「状態」を無視する
・単なる賭けと、財産を考えに入れた場合の賭けでは、好まれ方に違いが生じる
・ベルヌーイの偉大なアイデア──賭けは期待される貨幣の価値(金額)ではなく、期待される心理的価値(効用=満足度)で評価される
・ベルヌーイの誤り──賭けをする者は現在の富と未来の富の状態を「比較」して効用(満足度)を測る
・プロスペクト理論──効用(満足度)を決めるのは「変化」であって、「状態」(富の絶対量)ではない
・心理学的な誤りが経済学で使われてきたのは、経済主体は合理的とする説に合致するから
・無差別曲線の欠点──富の最終的な量は示されるが現在の状況は示されない
・知覚の特性2──足し算をすべきときに平均値を求めてしまう
a 一つのグループになった物を評価する場合
b 一連の観察結果の証拠を評価する場合
c ある人が、あるグループもしくはカテゴリーに属すかどうかを判断する場合
d あるエピソードを評価する場合
・まとめ
第二章 自伝
・ダニエル・カーネマン 年譜
・幼少期
・青春時代
・軍隊経験
・大学院時代
・プロになるためのトレーニング
・エイモス・トヴェルスキーとの共同研究
・一九七四年「サイエンス」誌の論文と合理性論争
・プロスペクト理論
・フレーミングと心の会計
・行動経済学
・その後
・エイモス・トヴェルスキー追悼(一九九六年六月五日)
第三章 効用最大化と経験効用
・序
・現在の感情状態の影響
・選択状況の影響
・過去に学ぶ
・適応の予測の誤り
・コメント
第四章 主観的な満足の測定に関する進展
・主観的経験の測定原理と、実験室での測定
・生活上の満足と幸せについての調査
・生活上の満足に関するデータが有効な証拠
・時間の使い方の評価
・適応の謎
・社会における幸せの測定──U指数
・まとめ
参考文献
原注
|