目次
第一章 尼さんは日本でなぜ色っぽいのか
男目線にさらされる尼さん/江戸の川柳が語る尼さん/比丘尼とは娼婦のこと/「比丘尼買い」にはまる江戸のフェチ男たち/名作漫画『修羅雪姫 外伝』と色っぽい比丘尼集団/歌川広重に描かれた比丘尼町/性的ファンタジーとして消費される女たち/戦国大動乱の美しき鬼っ子/気がつけば春を鬻ぐ芸能人に/ケンペルがみた歌う熊野比丘尼/熊野比丘尼、エロティックな歌をうたう/鬼畜すぎる江戸の売春事情とは/横溝正史『比丘尼御殿』のすごい中味/「お比丘尼様ァ!」の法悦の世界は地獄だった/日本の「聖」と「性」のあぶない関係はいつからか?
〔コラム@ 〕地獄の阿鼻叫喚/尼寺映画シリーズ
第二章 歴史が教える日本の尼僧がエロくなった背景とは
ブッダがもうけたセックス禁止規定/エロさとはほど遠かったインドの尼僧たち/蘇我vs.物部──仏教到来にゆれる朝廷/日本人は仏を神だと勘違いした/じつは無神論者だったブッダ/異国の神々に仕える巫女だと思われた尼僧/巫女とは「神事としてのセックス」にはげむ人のこと/エロショーと化した江戸時代の神楽舞/雑魚寝の古い意味は「集団乱交」/「淫風」に顔をしかめた古代のエリートたち/巫女のヒワイな祈祷に赤面した和泉式部/日本人は性の悦びに罪悪感をもっていなかった/日本人に仏教を誤解させた責任はインド側にも?
〔コラムA〕 発掘された人骨/トランスジェンダーの巫女!?
第三章 日本人、女神とのセックスに溺れる
仏像に精液をひっかける/交わらせてくれた憧れの吉祥天/弁財天に恋をした田沼家浪人の男/弁財天、男のしつこい要求にぶちきれる/裸弁天はいても裸吉祥天がいない訳とは/如意輪観音をレイプした道鏡/官能的すぎる如意輪観音像を見舞った昭和の災難/なぜ吉祥天は赤い蓮を身にまとうのか/とにかく色っぽすぎたヒンドゥーの女神たち
〔コラムB 〕ブッダのペニス隠し/仏教とキリスト教
第四章 日本中世に踊る「SEX教団」
弘法大師空海が輸入した新しい密教/タントラ経典がのせた「性愛革命の宣言文(マニフェスト)」/一休和尚が書いたポルノ詩集/美女の女陰に水仙が香る/「これのどこが仏教なのか!?」/一休、恋人のフィンガーテクニックを礼賛する/『理趣経』と暴走する変態教団/聖なる髑髏──日本版「黒ミサ」の流行/墓場で風変わりな髑髏をかき集める/「変態教団」らしいこだわりが盛りだくさん/求められた女神の分身としての役割
補論──血と死のインドの女神たち
〔コラムC 〕仏教と髑髏/世の無常のシンボル
第五章 日本の寺はボーイズラブの楽園だった
破戒僧の書いた誓文書/宣教師を驚かせた日本の僧侶たちの男色/都の美少年に目が釘づけ! /想いは通じ、ついに初夜の契りへ/「春の夜の短さがうらめしい」/相思相愛の二人に別れの時が──/愛は逢坂の関をこえて/「迷ったからこそ見られた月」を歌う/バイセクシャルの坊さんが詩を詠めば/男色と小児性愛(ペドフィリア)の線引きについて/古代ギリシャの男色との違いとは/比叡山の「稚児灌頂」をめぐって/観音の化身として犯された稚児/稚児がわきまえるべき閨の作法があった/「蓮の花」とは何をさす隠語か?/ 日本最古のポルノ絵巻『稚児草子』
〔コラムD〕 弁慶と牛若丸/日本中世屈指のBL物語
最終章 地獄とは何か
「自分の尻は自分で拭けよ!」/誰が誰を笑えるのか
各章の注
参照文献
おわりに
|